タナトノート/ベルナール・ヴェルベール(ベルナール・ウェルベル)

死後の世界をテーマにした小説です。


でもスピリチュアルな話だけで進むのではなく、

科学的な話も盛り込んだストーリーです。

そして「死」という重くなりそうなテーマですが、ちっとも重くないのです✨

面白くて一気に読んでしまいますよ。


元々作者さんは科学ジャーナリスト。

そのためか神秘的な話に偏らず、科学と神秘が

バランス良く調合されているので物語として自然に入っていくことができます✨


ずっと思っていたことなのですが・・・。

世界にたくさん宗教ってあるけど、

同じようなことを言っているものって多くないですか?


キリストさんも、お釈迦さんも、モーセさんも、

みんなみんな本当は同じものを見て、

同じものを伝えようとしていたのではないかなって。


しかしそれが伝言ゲームのように途中で全然違う内容に

なってしまっただけではないのかって。

だとしたら宗教戦争って・・・。


そしてさらに。


私はお伊勢さんや決まった神社へ毎年必ず参拝しますので

強いて言うなら神道の信者かもしれません。

が、特定の神だけをあがめるという意味での宗教には入っていません。


でも不思議な力はあると思っています。

その不思議な力を宗教によって、キリストと呼んだりエホバと呼んだり

奇跡と呼んだり偶然と呼んだりするだけで、

全部同じものを指しているように感じます。


そしてそれは今はまだ「不思議な力」ですが、

解明ができていないだけで実は科学的なエネルギーではないかと考えています。


なので神秘主義vs科学者のような番組とかを見ると、

なぜ対立するのだろうと思っていました。


「全部の宗教の大元にある真理は全部同じ」「神秘=科学」という

この2つの私の考えは家族以外からは否定されることが多いです。


が、どうやら作者さんも同じような考えのようです。


ものすごく心強い味方を得たようでうれしくなりました。

更に私の浅識では到達しえないところまで

掘り下げて書かれているのですごく面白い(*´▽`*)


いろんな根拠を提示して進めてくれるので

「そうだそうだ!」

と、いよいよ勢いづいて読み進めてしまうという感じでした。


ちなみに私の周りは「奇跡ではなく偶然」「死後の世界なんてない」

「宗教なんて信じない」という意見がほとんどです。

(家族は別。宗教には入っていませんが信心深い。)


神秘=宗教だけじゃないんだけどなぁ…。

神秘=宗教=新しすぎる科学=真理だと思うんだけどなぁ…。

神秘=作り話=胡散臭いという感じで興味がないのかな??


私はどちらかというと信心深い方ですが、

それでも宗教と聞くとうさん臭く感じますので

不思議な力について考えたことがない人は

そういう意見でも仕方ないのかなぁ。


しかしアインシュタインは

神を信じない科学者は、科学を信じない宗教家と

同じくらいナンセンスだ

と言います。


ある科学者の方は

追求すればするほど、科学では説明ができない部分に出会う

と言います。


しっかりと科学を研究している人の中には

神秘の力を認めざるを得ないと言う人が多いように思います。


現代の科学ではまだまだわからないことだらけなのに、

神秘を全部「あるわけがない」と切り捨てるのは

非常に短絡的ではないでしょうか。


自分の体内にさえ、謎はたくさんあります。

ましてや簡単に行って帰ってこられない死後のことなんて

わからないことが多くて当然ですよね。


そういう科学を妄信する人って「科学一神教」の

信者とも言えるのでは・・・。

しかもガチの文系だったりする(笑)。


少しそれてしまいましたが、この作品は死後の世界への旅行方法

科学的に研究・解明していくお話です。

科学と神秘との両側から協力しあって死後の世界の不思議を探求していきます。

自分の宗教観に近い内容なのでワクワクもひとしお・・・(⋈◍>◡<◍)。✧♡


死後の世界へ冒険して詳細な地図を完成させようとか。

死後の世界が物理世界にあるとしたらその座標はどこかとか。

結構途方もないことを言い出してしまう研究チームなのですが

話を追っていくとかなり筋道が立っていて

実現可能のことのように感じられてきます。


あの世があんなところにあるなんて・・・!


あーすごく言いたいです(*´艸`*)

ネタバレになるので我慢しますが。


死後の世界が物理世界、つまりこの世のどこかにあるなんて

仮説でも思いつかなかったので最初は戸惑いました。

でも読み進めると、これが真理なのではないかなぁと

いう気持ちになってきます。


というより、もう信じちゃってる!

関さんの都市伝説レベルで信じちゃってる!!


ただの突拍子もないSFよりも、もっとずっと興味深くて面白いです。


いろんな宗教書や哲学書を研究すると行きつく結論なのかなぁ…。


聖書はもちろん、死者の書、儒教、論語、仏陀の説法、

アステカの神話、ヒンドゥー教、サーミランドの神話、

パスカル、メソポタミアの神話、エジプトの神話、日本の神話・・・。


ほかにもまだまだたくさんの国々の神話や

哲学などが引用されています。


もはや論文の域。


それをちゃんとエンターテイメントとして楽しめる物語に

仕立て上げるのですから、作者の才能のすばらしさにしびれます。


しかも当時34歳だったなんて・・・!


年齢を考えると、どうしてそんなにもたくさんの哲学書を

読むことができ、しかも理解できたのだろうと不思議でなりません。


私なんて聖書や古事記でさえ何度もトライしては

断念してしまったというのに・・・(;^ω^)

もう一回チャレンジしてみようかなぁ。


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